スマホによるペーパーレス経費精算で経理業務をテレワーク化
2021-10-08
原文链接:https://www.tis.jp/casestudy/casestudy_117.html (需翻墙)
中部テレコミュニケーション株式会社(ctc)は、全社利用している経費精算システムの「スマホ対応」「ペーパーレス化」を計画した。TISは経費精算クラウド「Spendia」への移行支援および、既存会計システムとの連携など会計基盤全体のインテグレーションを実施。テレワーク環境との親和性が高い、新たな経費精算ワークフローが完成した。 本社:名古屋市中区錦一丁目10番1号 設立:1986年 資本金:388億1,648万円(2020年3月31日現在) 事業内容:電気通信事業 URL:https://www.ctc.co.jp/ (需翻墙)背景
スマホを基軸としたペーパーレス経費精算を目指す
中部テレコミュニケーション(以下、ctc)は、中部エリア5県に光ファイバー網を展開し、通信サービスおよびソリューション事業を手がける電気通信事業者。KDDIグループの一員であり、家庭向けの光インターネットサービス「コミュファ光」は85万契約(2018年実績)を獲得している。 ctcは2018年に、親会社のKDDIとERP基盤を統合する方針を決定。統合実施の2020年4月にタイミングを合わせ、既存の経費精算システムについても刷新を計画した。同システムについて情報システム部の市川雅一氏は「導入から10年以上、全9拠点の社員が日常的に使用してきましたが、拡張性が低く時代の変化に追従させるためのカスタマイズが困難となっていました」と振り返る。 新たな経費精算システムに求めた要件は、まず、経費の申請から承認までがスマホ操作で完結すること。情報システム部の宮野孝汰氏は「従来システムでは、申請も承認も会社のPCでの操作に限られていました。そのため、営業先・出張先から社に戻らないと経費申請ができません。また、経理部社員も自宅で承認作業が行えず、経理業務のテレワーク化の障壁となっていました」と語る。 次に、ペーパーレス化への対応。これは2017年の電子帳簿保存法改正で、スマホで撮影した領収書・レシート画像を正式書類として扱えるようになったことを受けたものだ。経理部の長澤豊氏は「遠方の拠点の社員は、領収書を本社経理部へ郵送する手間・時間を要していました。経理部が年間に処理する領収書・レシートは約12,000枚。定期的に倉庫に運んで保管する手間もかかり、証憑書類の電子化で作業効率の向上が期待できました」。選択
スマホでのユーザビリティに優れる「Spendia」を採用
ctcは2019年春から、新たな経費精算システムの候補として複数サービスを選出し、機能比較およびトライアルを開始した。その中には、TISの経費精算クラウド「Spendia」も含まれていた。 宮野氏は製品レビューを行った印象について「要件の一つである、スマホで領収書を撮影して申請する機能は、どの候補製品も水準をクリア。一方で差を感じたのが、スマホアプリの使用感です」と語る。 同じ“スマホ対応”をうたう製品でも、ブラウザからWebサイトにログインするタイプ、専用アプリを使うタイプに大別される。「『Spendia』は専用アプリが提供され、利用の都度ID・パスワードを入力しなくても生体認証でログイン可能。UIは非常に使いやすく、メニュー配置も柔軟にカスタマイズできる点は大きな加点材料でした。すべての社員が頻繁に使用するものですから、ユーザビリティの高さは特に重視したポイントです」。 加えて、TISのSIerとしての知見に期待したと長澤氏は続ける。「サービスは導入すればすぐ使えるわけではなく、会計システムとの連携や、会計制度の改定に対応させるための継続的なインテグレーションも必要です。候補の会社の中で、最初からSIerとしての目線でシステム全般の最適化を提案したのはTISだけでした」。 こうして2019年11月、TISの「Spendia」の導入を決定。2020年3月の完成を目指してプロジェクトがスタートした。開発
業務にあわせて会計基盤をトータルインテグレーション
まず要件定義フェーズでは、経理部社員から現状の課題をヒアリングしつつ、実装を目指す機能を固めていった。経理部の日高慎介氏は「システムの専門家でない我々に対し、TISは業務目線に立って分かりやすい言葉で説明してくれ、情報共有は非常にスムーズでした。ちょっとした疑問が出た時も、すぐに回答をもらえたので心強かったですね」と語る。 続いて「Spendia」をctcの科目体系や支払いルールに合わせるカスタマイズや、承認フローの開発が実施された。週次・月次の集計結果を自動的にCSVファイルに書き出し、会計システムに受け渡す仕組みもTISによって構築された。また、各社員の交通系ICカード(manacaやSuicaなど)から交通費の情報を取り込むため、本社内に計7台のICカードリーダーの配備も実施された。 開発が順調に進む一方、新型コロナウイルスの影響で、ctcも対策のため2020年3月から4月にかけてテレワーク化を段階的に強化。「開催予定だった、社員への新システムの説明会も取りやめざるを得ませんでした。幸い、『Spendia』のアプリのUIは初見でも使いやすいので、簡易マニュアルのみを電子データで配布し本番を迎えることとしました」(日高氏)。 そして、3月下旬に社員のスマホに向けてSpendiaのアプリを社内サーバーから自動配信。4月1日から本番利用がスタートした。「“スマホで領収書・レシートを撮影して申請する”という、従来とは異なる手順に変わっても、使い方に関する問い合わせはほとんどありませんでした。スムーズに移行できたのは、『Spendia』の優れた操作性があってこそだと思います」(日高氏)。効果
テレワークに適した経費精算ワークフローが完成
「Spendia」の導入効果について、「紙の領収書・レシートの提出が不要となったことで、社員は会社にいなくても経費申請が可能になりました。また、離れた拠点の社員は、領収書等を郵送で経理部に送る手間が不要になり、審査完了までの時間も大きく短縮されました」(宮野氏)。 一方、経理部社員にとっては、自宅のテレワーク環境でも、スマホあるいはPCを利用して承認作業が可能になった。「以前のシステムのままであれば、経費精算業務のために会社に出向くしか選択肢はなかったでしょう。外出自粛要請が出ている状況下、モバイル化ができていて本当に良かったと感じました」(市川氏)。なおctcでは、ペーパーレスとモバイル化によって、年間約200時間程度の経理業務の削減が可能と見込んでいる。 情報システム部は今、全社の業務システムについてモバイル対応を強化し、より効率的な働き方の実現と生産性向上を目指している。 「業務システムはPCで使うものという常識から、スマホ主軸へシフトしていくことが、業務改革の大前提になります。社員に発想の転換を促す意味でも、利用頻度が高い経費精算システムのモバイル化は最適な入口でした。『Spendia』導入を契機として、ctcのデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させていきたいと思います」(市川氏)。スマホによる申請~承認のイメージ
お客さまの声
中部テレコミュニケーション株式会社
情報システム部 システム運用グループ グループマネージャー 市川 雅一 氏
中部テレコミュニケーション株式会社
情報システム部 情報戦略グループ
主任
宮野 孝汰 氏
中部テレコミュニケーション株式会社
経理部 経理決算グループ
グループマネージャー
長澤 豊 氏
中部テレコミュニケーション株式会社
経理部 経理決算グループ 課長補佐 日高 慎介 氏TIS担当者から
TIS株式会社
サービス事業統括本部 エンタープライズ営業企画ユニット エンタープライズビジネス企画部 Spendia事業推進室 主査 工藤 大輔同
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